舌の癖とは、日常生活で、口の開いた前歯から舌が出てきたり、飲み込むときに歯を舌で押し出すような動きをすることです。舌の癖がある人は、いつも舌が口の中で低い位置にあり歯を押しています。飲み込むときはさらに強い力で歯を押し出します。口の周囲の筋肉は弱く、特にいつも口を開けている人はその筋肉で歯を押さえる力がありません。人は1分間に1回から2回くらい無意識に飲み込む動作(嚥下動作)をしています。舌の癖のある人は飲みこむたびに舌で歯を押していることになります。そのため、出っ歯になったり、歯と歯の間に隙間が開いたり、上下の歯がかみ合わなくなります。また話をするときに舌たらずな発音になることもあります。また、舌の癖のある人は口呼吸をしてる人が多くみられます
このような舌の癖を治して正しい飲み込みや鼻呼吸に導くのが筋機能療法(MFT)と呼ばれるトレーニングです。当医院では、不正な歯並びと関連しているお子様に、専門のスタッフが筋機能療法などの口の周囲の筋肉のトレーニングを行っています。

舌癖改善装置
インプラント矯正治療は、6、7年前から矯正歯科専門医の間で開始され、今までの矯正歯科治療に加えて、歯を動かすために、矯正歯科治療用のインプラントを歯肉の下の骨に埋め込んで、それを土台として利用する治療方法です。
インプラントを利用することで、今まで出来なかった確実な歯の移動や、治療期間の短縮が可能になった新しい治療です。
インプラントは、目的が完了後の1年から2年後には除去し、歯肉には全く跡が残りません。
また、インプラントの材料は生体と親和性が高く、アレルギー反応のでないチタンでできており、安心して治療を受けることができます。

注)一般的なインプラントとは、一般の歯科医院で、歯を失った場所に太いチタン製の根を埋め込んで(その上にセラミックの歯をはめる)、自分の歯と同様に機能させる高額な治療を言います。矯正歯科治療で使用するインプラントは目的が異なります。
インプラント矯正の特徴
インプラント矯正の利点・欠点
利点
- 一日中または睡眠中に装着する必要があった装置が必要なく、最小限の期間のみで治療が終了できます。
- 歯を抜かない治療の可能性の拡大
今までの矯正歯科治療では抜歯しなければならない人でも、抜歯しないで治療する可能性が広がりました。 - 治療期間が短くなる場合がある。
欠点
- インプラントを歯肉の下の骨に埋め込む治療が必要で、インプラントの専門医に依頼します。
インプラントを埋め込む処置は、少量の局所麻酔をして、数本であれば30分程度で済みます。矯正用のインプラントはとても小さく細いので、処置後の痛みや腫れもほとんどなく、抜歯の時より痛みがありません。 - 目的の移動が完了後には除去する必要がありますが、歯肉には全く跡が残りません。
- 骨の質や厚みと衛生管理の状態によって腫れや脱落が起こる事もあります。
- 年齢や歯周組織の状態によって適応出来ない場合もあります。
- 2、3?の金属の違和感以外、日常生活に影響はありません。
インプラント矯正装置の埋入方法

- 表面麻酔と局所麻酔
- インプラント埋入
- 消毒と投薬
処置の時間は1本15分程度です。
術後の注意
術後の痛みは、個人差はありますが、軽度の痛みからほとんど痛みのない程度で、術後の腫れも、目で確認できない程度です。もし痛みや腫れが出た場合でも2〜3日で落ち着きます。また、歯と同様に歯肉の衛生管理が必要です。